旅と読書、ときどきアート

2019年に独立しました。誰もが手にできる「生業(なりわい)」という考え方に共感し、日々試行錯誤しています。

24時間テレビの思いで

年齢がばれてしまいますが、私が小学生の時に24時間テレビが始まりました。

当時は手塚治虫さんのアニメ(毎年、素晴らしかった)があり、ドラマよりもアニメを楽しみにしていました。とくに、マリンエクスプレスはその後も再放送され、非常に心に残っています。あまり助け合いとかボランティアには意識がなくて、単純にお祭り騒ぎが楽しかったです(娯楽らしいものがなかったので)。

24時間テレビは、ご存じのように視聴者から集めた募金を社会福祉に役立てるというのが一つの大きな役割となっています。そして、障碍者の方々のさまざまなチャレンジも、見ていて感動を覚えます。しかし、これらの番組の趣旨に否定的な見方も成立してしまうことも事実です。実は、亡くなった私の父も24時間テレビに否定的な見方をする一人でした。父の反応は単純明快。テレビを消すか、チャンネルを強制的にかえるか、です。父が言うには「テレビに出られない人は、もっと大変だ」というもの。そうなのかもな、と子供ごころに納得してしまうこともありました。

しかし、そんな父にも転機が訪れます。大病をして、人工透析患者となってからの話です。ある年の24時間テレビを見ているとき、父がテレビに向かって「がんばれ」と応援している姿を見ました。毎週、何回も透析に行き、父も、仲間の患者さんも大変な思いをしていたに違いありません。そんな中で、父は今までと違った視線で24時間テレビを見ていたのかもしれません。父とこの話をする機会はありませんでしたが、熱心に番組を見ていたことをこの時期になると思い出します。